土地改良区とは

 

土地改良区は,農業生産を行う上で欠かせない用排水施設の整備・管理や農地の整備いわゆる土地改良を目的として設立された農家の人たちの組織です。この土地改良区は全国に約7,000あり,関係する農家は約300万人,関係する農地は一部重複もありますが約300万haにも及んでいます。
具体的な活動としては,農業を営む上で必要な用水を確保するための水源の確保や用水路の整備・管理,農地や地域の雨水,集落からの排水などを安全かつ確実に排除するための排水路の整備・管理を行うとともに水田や畑地の整備などを行っています。
ちなみに,こうして整備された農業用用排水路の延長は,約22万km(ほぼ地球5.5周)にも達しています。
一方,社会経済情勢が大きく変化する中,農地や農業用水は,食料の安定供給に欠かせない基盤であるとともに,国土の保全や美しい農村景観など多面的機能を持つ大切な資源でもあるという意識が国民の間で高まってきています。
土地改良区は,ふるさとの環境を育んでいるこのような資源を大切に守り育てることを通じ,新たな時代にふさわしい豊かで住みよい農村づくりを目指して,市町村を始め,地域に住んでいる人たちみんなの理解と協力を得ながら,積極的に活動していきたいと考えています。
土地改良区は,こうした大切な国民の財産とも言える農地や農業用水を守り育て,豊かな地域資源を次世代に引き継ぐ役割を担っている組織なのです。

(全国土地改良情報11月号より)